はじめに:働くことを、あきらめないために
「働きたいけれど、何ができるのかわからない」 「毎日頑張っているのに、周りと比べて自信が持てない」 「福祉の仕事は好きだけど、もっと力になれる方法がある気がする」
障がいや病気を抱えていると、社会の中で「働く」というテーマが重く感じられることがあります。
一方で、福祉の現場に携わっていると、利用者の方々の思いや可能性をもっと引き出したいと感じる場面にも出会います。
そんなときに知ってほしいのが、国家資格キャリアコンサルタントです。
私は精神疾患の当事者と働く中で、この資格に出会いました。そして、人生が少しずつ変わっていきました。
このページでは、キャリアコンサルタントという資格がなぜ、障がいのある方や福祉職の方にとって「働く力」になるのかを、じっくりお伝えします。
キャリアコンサルタントとは?働くを支える国家資格
キャリアコンサルタントは、働く人の悩みに寄り添い、人生や仕事の選択をサポートする国家資格です。
「キャリア相談って、就活の人向けでしょ?」と思われることもありますが、実際は全年齢・すべての働く人が対象です。
どんなことをするの?
- 働きたいけど自信がない人に、自己理解を深める手助けをする
- 職場で悩んでいる人に、考え方の整理や対処方法を一緒に考える
- 人生やライフスタイルと仕事のバランスについて相談を受ける
このように、ただの職業紹介ではなく、「その人らしく働くためのサポート」ができるのがキャリコンです。
障がいがあっても資格取得は可能?
はい、可能です。実際に周囲には発達障害や身体障害を持ちながら挑戦・合格された方もいます。
資格取得に必要な条件は特に高くありません。
資格取得の要件(2025年時点)
- 指定された養成講座を修了すること
- 学科・論述・実技(面接)試験に合格すること
どんな方でも目指せる国家資格です。
さらに、自分の経験が活きるという強みがあります。
「見えている世界」を広げる支援者になるために
私が受講していた養成講座では、「利用者さんの気持ちがよくわかる支援をしてくれそう」といった声をいただくことがありました。
それは、これまでの人生や職場経験の中で、働くことに不安を抱えていた方々と実際に向き合ってきたからだと思います。
「働きたい気持ちがあるのに、どう踏み出せばいいのかわからない」 「支援を受けている中でも、自分の気持ちを言語化できない」
そういったもどかしさや迷いを、私自身、何度も目にしてきました。
この経験を通じて学んだのは、知識だけではなく、「相手の立場に立って想像する力」が支援には不可欠だということです。
その気づきが、支援する側としての一歩を踏み出す原動力になりました。
福祉職の方にとってのキャリコンの魅力
日々、支援にあたっている方ほど「限界」を感じる瞬間があると思います。
- 利用者さんが定着しない
- 働く意欲はあるのに進路が決まらない
- 家族との価値観のズレに振り回される
これらの課題に、キャリアコンサルタントの視点が加わると、支援の質が大きく変わります。
こんな変化が起きます
- 支援が「制度に合わせる」から「本人に合わせる」へ
- キャリア理論に基づいた、再現性ある支援ができる
- 支援者自身が「聴いてもらう経験」を経て成長できる
私は支援者の「燃え尽き防止」にも、キャリコン資格は役立つと感じています。
資格取得の流れと現実的なスケジュール
「資格ってお金も時間もかかるんじゃ?」と心配されるかもしれませんが、実は今はかなり柔軟な学び方が選べます。
学習期間とスタイル
- 4〜6ヶ月程度の学習(週1〜2回)
- オンライン受講可能な講座も多い(これは特におすすめ)
- 通学・ハイブリッド形式も選べる
↓オンライン希望なら、こちらの受講がお勧め

↓私はマンパワーで養成講習を受講しました。緊張して参加しましたが、周囲の人が優しかったです。

費用とサポート制度
- 15〜20万円程度
- 教育訓練給付金(最大70%支給)対象講座あり(私も利用しました。ハローワークで教えてくれます)
- 分割払い・ローン対応の講座も
試験内容
- 学科試験:マークシート方式
- 論述試験:相談事例に対して記述
- 面接試験:ロールプレイ+口頭試問
※障がいがある方向けに、試験会場での合理的配慮申請も可能です。
資格を取ったその先に広がる未来
キャリコン資格を取得した後、活かし方はさまざまです。
就労支援・福祉の現場で活躍
- 就労移行支援事業所でキャリア面談
- B型作業所でステップアップ支援
- 地域若者サポートステーションなど公的機関
在宅・副業でも
- オンラインキャリア相談
- SNS・ブログで情報発信
- 自分の体験を語る講演活動
私も日々のキャリア相談や支援の中で「誰かの役に立てている」という実感を持っています。現場での経験が、目の前の誰かの背中を押す力になっていると感じています。
「資格がゴール」ではなく、「自分らしい働き方」のスタート
キャリアコンサルタント資格を取ったからといって、すぐに完璧な支援者になれるわけではありません。
でも、「働くことをあきらめない」 「自分らしい形で誰かの力になれる」
その一歩を踏み出せるのが、この資格だと思います。
私のように、働くことに不安を感じた経験がある人こそ、 誰かの未来を照らす力になれるのではないでしょうか。
最後に:あなたの経験が、誰かの希望になる
障がいがあっても、病気を抱えていても。 働くことを、あきらめなくていい。
国家資格キャリアコンサルタントは、 そんなあなたの背中をそっと押してくれる学びです。
自分のために、そして誰かのために。 一歩、踏み出してみませんか?