障害者雇用は、障害のある方々が自立した生活を送るための方法の一つです。しかし、障害者本人やその家族にとって、就職活動や職場環境の整備に関する情報はわかりにくく、十分に理解されていないことが多いのではないでしょうか。
正しい情報の理解のために
本記事では、障害者雇用に関する支援制度や、職場環境を整えるための具体的な方法、そして本人や家族が取るべき具体的な行動について解説します。
障害者雇用とは何か?その意義と重要性
障害者雇用とは、身体や知的、精神的な障害を持つ方々が社会で働くための仕組みや制度を指し、障害のある方を雇用すること、またその専用の求人を意味します。日本では、障害者雇用促進法に基づき、一定規模以上の企業に対して障害者雇用の義務が課されています(民間企業は2.5%:40人に1人の割合)。この制度は、障害のある方が平等な労働機会を得られるようにすることを目的としています。
障害者雇用が進むことで、障害者本人の自立や社会参加が促進されるだけでなく、企業にとっても多様性の向上や新しい価値観の取り入れといったメリットがあります。例えば、2023年度の厚生労働省の統計によると、障害者雇用率は過去最高を更新しました。しかし、まだ法定雇用率を達成していない企業も多く存在します。
利用できる主な支援制度と家族や本人ができる具体的なこと
障害者雇用をサポートするために、さまざまな支援制度が設けられています。以下に主な制度を紹介し、それを活用するために家族や本人が取るべき具体的な行動を説明します。
障害者職業センター
働くために必要なスキルを習得できる施設です。①職業準備プログラムでは、特定の職種に必要なスキルだけでなく、働く上での基本的なマナーやコミュニケーションスキルも学べます。②リワークプログラムでは、働いていて休職された方向けの、職場復帰プログラムも行われています。
家族や本人ができること:
- 地元の職業センターを調べて相談窓口を確認する(一つの県に必ず一つ以上設置されています)
- これから働く人は職業準備プログラム、休職中の方はリワークプログラムを受講する。
地域職業センターはこちらから↓
ジョブコーチ制度
ジョブコーチが障害のある方とその職場を支援し、働きやすい環境を作る制度です。ジョブコーチの資格を持つ専門家が直接職場を訪問してくれます。例えば、新しい業務に慣れるための支援や、職場内の人間関係の調整を行います。現在仕事に就いている方も利用できます。
障害者職業センターや障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所にて行われています。
家族や本人ができること:
- 職業センターや障害者就業・生活支援センターでジョブコーチのサービスについて問い合わせる。
- ジョブコーチのサービスを受けることは可能か、いつから行えるか、手続きは何かを確認する。
- 職場での困りごとや希望を明確にしておく。
ジョブコーチ制度の概要はこちらから↓
おすすめの就労移行支援事業所はコチラの記事でも紹介しています↓
トライアル雇用助成金
障害のある方を一定期間試行的に雇用する企業に対し、助成金を支給する制度です。これにより、企業は障害のある方の能力や適性を把握した上で雇用の継続を判断できます。企業が助成金を受け取れるので、実質、企業は雇用がしやすくなります。3か月~6か月の試用期間中に企業が雇用継続を判断することが出来ますが、この期間中に解雇にすると企業にはデメリットがあるので、ほぼこの期間中に解雇されることはないと考えて問題ありません。
家族や本人ができること:
- トライアル雇用の求人を探して応募する(ハローワークの求人より)
- 求人応募のための準備(履歴書、面接、就職前準備プログラムへの申し込み)を行う
障害者トライアル雇用コースの概要はこちらから↓↓
職場環境の整備方法と家庭での準備
障害のある方が働きやすい環境を作るためには、物理的な環境整備だけでなく、心理的なサポートも重要です。また、家庭での準備も欠かせません。
合理的配慮の提供
合理的配慮とは、障害者が職場で働く際に生じる困難を軽減するための具体的な措置を指します。例えば、段差をなくす、手話通訳を配置する、柔軟な勤務時間を設定するなどが挙げられます。また、精神障害者や発達障害者に対する合理的配慮の例として、次のような対応が考えられます。
- スケジュールやタスクを視覚的に整理するツールを導入する。
- 過度な刺激を避けるため、静かな作業スペースを提供する。
- ストレス管理のための定期的な面談や相談機会を設ける。
- コミュニケーションでの課題をサポートするために、簡潔で明確な指示を出す。
これらの配慮を職場に取り入れることで、障害者が持つ能力を最大限に発揮できる環境を整えることができます。
家族や本人ができること:
- 必要な配慮事項をリストアップし、面接時に説明できるように準備する。
- 配慮事項が職場で実現されているか、確認する(ジョブコーチや就労移行の定着支援サービスがおすすめです)
- 必要に応じて、地域の支援機関にアドバイスを求める。
メンタルヘルスサポート
精神的な障害を持つ方にとって、働く環境が心理的に安全であることは非常に重要です。定期的な面談や相談窓口での面談など、メンタルヘルスのサポート体制を整えることが求められます。
家族や本人ができること:
- 精神科や心療内科でのメンタルヘルスの専門家を活用し、心の健康を定期的にチェックする。
- ストレス軽減のためのリラクゼーション方法を習慣化する。
障害者雇用の現状と課題
日本における障害者雇用率は年々増加していますが、法定雇用率を達成できていない企業も少なくありません。また、障害のある方本人が職場での孤立を感じるケースや、適切な配慮が行われていない現場も依然として課題です。
家族や本人ができること:
- 障害者雇用に関連する最新の情報を定期的に収集する。
- 就労に関する地域のサポートグループに参加し、交流を深める。
- 必要に応じて、法的な助言を受けることで、権利を守る手段を講じる。
これらの課題を解決するためには、国や地方自治体、企業、障害者本人、そして社会全体が協力して取り組む必要があります。
まとめ
障害者雇用を促進するためには、支援制度を十分に活用し、職場環境を整えることが不可欠です。また、障害のある方本人やその家族が積極的に情報を収集し、行動を起こすことでより良い就労環境を作ることができます。本記事が、障害者雇用についての理解を深め、具体的な行動のきっかけとなれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。