- 障害者雇用の現場で「何を学ぶべきか?」
- 障害者雇用を成功させるために読むべき本【10選】
- 第1位『図解でわかる 障害者雇用と就労支援』/中央法規出版
- 第2位『今どき会社がうまくいく 精神障害者雇用』/田村 倫世
- 第3位『発達障害の人の雇用と合理的配慮がわかる本』/石井 京子 他
- 第4位『成功する精神障害者雇用―受入準備・採用面接・定着支援(改訂版)』/刎田 文記 他
- 第5位『障害者雇用の「困った」を解決! 発達障害・知的障害のある社員を活かすサポートブック』/石橋 恵・和田 直美
- 第6位『合理的配慮 対話を開く,対話が拓く』/飯野 由里子 他
- 第7位『職場のメンタルヘルス・マネジメント ──産業医が教える考え方と実践 (ちくま新書)』
- 第8位『精神障害者雇用のABC』/山口 創生 編
- 第9位『この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ』/井上 智介
- 第10位 『戦力としての障がい者雇用 実践ハンドブック』/藤本 雄
- まとめ|制度対応から「共に働く組織文化」へ
障害者雇用の現場で「何を学ぶべきか?」
障害者雇用は、単なる制度対応ではなく、組織の文化や人事戦略に深く関わるテーマです。
2024年度以降、法定雇用率は段階的に引き上げられ、企業には「数をそろえる」だけでなく、
“働き続けられる職場づくり”が強く求められるようになりました。
とはいえ、現場担当者の多くはこんな悩みを抱えています。
- 「どんな障害のある方を採用できるのか?」
- 「配慮ってどこまで必要?」
- 「職場でトラブルが起きたとき、どうすればいい?」
- 「制度や支援機関の情報が複雑で分からない」
これらを一つずつ理解し、実務に落とし込むためには、正しい知識と現場のリアルを学べる本が最も有効です。
この記事では、障害者雇用を担当する企業の人事・管理職に向けて、
制度理解から実務ノウハウ、理念形成までをカバーするおすすめ書籍10冊を厳選して紹介します。
障害者雇用を成功させるために読むべき本【10選】
企業担当者が押さえておくべきテーマは、大きく3つあります。
1️⃣ 制度と法律の基礎知識
2️⃣ 現場で活かせる実践ノウハウ
3️⃣ 当事者理解・価値観の醸成
以下の10冊は、これら3つの要素をバランスよく学べる構成になっています。
それぞれの特徴をわかりやすくまとめたので、ぜひ自社の課題に合った一冊を見つけてください。
第1位『図解でわかる 障害者雇用と就労支援』/中央法規出版
【定番・基礎】
障害者雇用の全体像を最短で理解したい人におすすめの入門書。
法定雇用率や助成金制度、支援機関との連携、職場定着支援の流れなど、
複雑な制度を図やチャートで視覚的に整理しています。
人事担当者が最初に読む1冊として定番で、社内研修の教材としても採用実績多数。
「制度と現場をどう結びつけるか」が明確になります。
第2位『今どき会社がうまくいく 精神障害者雇用』/田村 倫世
【時事性・実務】
法定雇用率の引き上げにより注目度の高い「精神障害者雇用」に焦点を当てた実践書。
採用・受け入れ準備・定着支援までの一連の流れを、
企業の立場からリアルに描いている点が特徴です。
実例を交えながら、精神障害特有の課題(再発・コミュニケーション・職場適応)を
どのように支援していくかを具体的に解説。
「何をすれば良いかわからない」と悩む担当者に最適です。
第3位『発達障害の人の雇用と合理的配慮がわかる本』/石井 京子 他
【注目テーマ】
発達障害のある社員に対して、どんな配慮をすれば良いか――。
その答えを、具体的な職場事例とチェックリストで解説する実務書です。
採用・配置・業務設計・支援機関との連携など、現場の流れに沿って構成されています。
「合理的配慮って難しそう」と感じる人でも、
対話を通じた支援の進め方が自然に理解できる内容になっています。
第4位『成功する精神障害者雇用―受入準備・採用面接・定着支援(改訂版)』/刎田 文記 他
【実践的】
受け入れ準備から採用、定着までのステップを一貫して学べる、
企業実務のバイブル的存在。
「採用面接で何を聞くべきか」「職場内でどんなサポートが必要か」など、
現場で直面する課題に即した内容です。
人事・産業保健スタッフ・管理職など、複数部署で共有できる知見が得られます。
第5位『障害者雇用の「困った」を解決! 発達障害・知的障害のある社員を活かすサポートブック』/石橋 恵・和田 直美
【Q&A形式】
現場の「困りごと」に即したQ&A構成で、非常に実用的。
- 仕事のミスが多いときの声かけ
- 指示が伝わらないときの工夫
- チーム内での摩擦の防ぎ方
など、リアルな場面で役立つヒントが満載です。
初任者からベテランまで長く使える実務書として人気があります。
第6位『合理的配慮 対話を開く,対話が拓く』/飯野 由里子 他
【思想・本質】
合理的配慮を「形式」ではなく「対話」として捉える視点を提示する一冊。
制度としての理解に加えて、
“ともに働く”ための人間関係のあり方を問い直します。
読後には、障害者雇用を「人事施策」ではなく「組織文化」として考えられるようになります。
第7位『職場のメンタルヘルス・マネジメント ──産業医が教える考え方と実践 (ちくま新書)』
【広範囲】
障害者雇用だけでなく、企業全体のメンタルヘルス対策を体系的に学べる一冊。
産業医の視点から、
- メンタル不調の予防
- 職場復帰支援
- 管理職のラインケア
などを具体的に解説しています。
「まず社内全体の健康経営を整えたい」企業におすすめです。
第8位『精神障害者雇用のABC』/山口 創生 編
【専門ノウハウ】
SST(ソーシャルスキルトレーニング)やジョブコーチ支援など、
専門的な支援技法に踏み込んだ実践書。
支援機関・企業・当事者の三者連携を軸に、
精神障害者の就労支援を多角的に捉えています。
より専門性を高めたい担当者に最適です。
第9位『この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ』/井上 智介
【心理・当事者理解】
企業担当者が当事者の心理を理解するためのインサイト本。
医師の視点で「なぜ職場がつらいのか」「どうすれば気持ちが軽くなるのか」を解説しており、
支援面談や人事対応の理解を深めるのに役立ちます。
人事の“共感力”を育むための一冊です。
第10位 『戦力としての障がい者雇用 実践ハンドブック』/藤本 雄
【実践・戦略】
企業の障がい者雇用を「戦力化」という観点から解説した実務書。採用・配置・定着・評価といった各フェーズにおけるポイントを、具体的な企業事例とともに紹介しています。
人事担当者が現場で直面する課題に即した内容で、「単なる法定雇用対応」にとどまらない“戦略的雇用”を学べる1冊です。
まとめ|制度対応から「共に働く組織文化」へ
障害者雇用をめぐる環境は急速に変化しています。
もはや“法定雇用率を守るための取り組み”ではなく、
企業の持続的成長と多様性推進の柱となる時代です。
今回紹介した10冊は、
- 制度を正しく理解するための基礎書
- 実践で使える現場対応書
- 当事者理解を深める理念的な書籍
をバランスよくカバーしています。
1冊ずつ読んでいく中で、きっと
「障害者雇用=特別なこと」ではなく、
“誰もが安心して働ける環境づくり”そのものだと感じられるはずです。
まずは、自社の現状や課題に最も近いテーマから、
是非1冊、選んでみてください。
