はじめに|「選び方」で、就職後の未来は大きく変わる
就労移行支援事業所を探し始めると、
- 就職率が高い
- 支援が手厚い
- 実績が豊富
といった言葉が並び、どこも同じに見えてしまうことが少なくありません。
しかし現場で支援に関わっていると、事業所ごとに
「何を一番大切にしているか」
が、はっきりと分かれています。
この記事では、代表的な実名事業所(リタリコワークス/ミラトレ(パーソルダイバース)/ココルポート/Neuro Dive/チャレンジドジャパン)を例に、
- 支援スタイルの違い
- 向いている人の特徴
- 見学時に確認すべきポイント
を、当事者・支援現場・企業人事の視点から解説します。
就労移行支援は「5つのタイプ」で考えると失敗しにくい
就労移行支援事業所は、大きく次の5タイプに分類できます。
- 就職特化型(企業連携・就職実績重視)
- 生活支援+就職支援型(体調・生活リズム重視)
- 実践体験重視型(擬似就労・グループワーク中心)
- IT・専門スキル特化型(専門職志向)
- 地域密着型(地元企業・コミュニティ連携)
ここから、それぞれを実際の事業所名付きで具体的に比較していきます。
① 就職特化型|「とにかく就職したい人」向け
代表例:LITALICOワークス(リタリコワークス)
特徴
- 全国展開の大手事業所
- 求人開拓・企業連携・面接対策に強い
- 就職後の定着支援まで一貫サポート
リタリコワークスの支援設計は、
「就職をゴールではなく、スタートとして扱う」
点にあります。
職務経歴書の添削、模擬面接、企業実習の機会が多く、障害者雇用枠・一般雇用枠の両方を視野に入れた支援が受けられます。
向いている人
- 就職を最優先したい
- 初めて就労移行支援を利用する
- 大手の仕組みと実績に安心感を求めたい
LITALICOワークス:全国130拠点以上・就職実績トップクラス。初めて就労移行支援を使う方でも安心して相談できる王道型支援サービスです。

② 生活支援+就職支援型|「まず安定したい人」向け
代表例:ココルポート
特徴
- 個別支援計画を重視
- 生活リズム・体調管理・対人関係の相談が丁寧
- 少人数対応の事業所が多い
ココルポート型の事業所は、
「働く前に、まず生活を整える」
ことを大切にします。
通所ペースづくり、服薬や睡眠の相談、日常生活の困りごとなど、医療・福祉的な視点に近い支援が特徴です。
向いている人
- メンタル不調の波がある
- ブランクが長い
- いきなり就職活動に進むのが不安
ココルポート:生活リズムの安定から就職までを段階的に支援。無理せず“働ける状態”を作りたい方に向いている事業所です。
③ 実践体験重視型|「働く感覚を取り戻したい人」向け
代表例:ミラトレ(パーソルダイバース)
特徴
- グループワーク中心のプログラム
- 擬似オフィス環境での業務トレーニング
- 報連相・チーム作業の練習が豊富
ミラトレは、
「就職前に“働く練習”をする場所」
という位置づけが強い事業所です。
実際の職場を想定したスケジュール管理や業務指示の受け方など、職場定着につながる実践的な経験が積めます。
向いている人
- 職場経験が少ない
- 対人関係に不安がある
- 実務感覚を身につけたい
ミラトレ(パーソルダイバーズ):大手人材会社パーソルのノウハウを活かし、企業就職を“実践形式”で目指せる就職特化型トレーニングが強みです。
④IT特化型支援:manaby(マナビー)|在宅×ITスキルで働く力を身につけたい人向け
manaby(マナビー)は、ITスキル習得と在宅訓練に強みを持つ就労移行支援事業所です。通所が難しい方や、将来的にリモートワーク・IT職種を目指したい方に向けて、eラーニング中心の学習環境と個別支援を組み合わせた支援モデルを提供しています。
manabyの特徴
- 在宅訓練対応:体調や環境に左右されやすい方でも、自宅から学習・訓練が可能
- IT・デジタルスキル重視:Web制作、デザイン、動画編集、プログラミング基礎など、職種に直結しやすいカリキュラム
- 個別支援型:一人ひとりの特性や就労目標に合わせた学習計画と就職支援
- 就職後フォロー:就職して終わりではなく、定着支援まで見据えたサポート体制
向いている人
- 通所が体調的・環境的に難しい方
- 将来的に在宅ワーク・IT系職種・事務×ITスキルを目指したい方
- 集団型プログラムよりも、自分のペースで学びたい方
おすすめポイント
「外に出るのが不安。でも、働く力は身につけたい」——そんな方にとって、manabyは“就職への入口”になりやすい事業所です。特に、発達障害や精神障害で通所のハードルを感じている方からの支持が高いのも特徴です。
manaby:在宅対応・IT特化型の支援内容を公式サイトで詳しく見る
⑤地域密着型支援:チャレンジドジャパン|地元で“長く働く”を支える就労移行支援
チャレンジドジャパンは、地域企業との強い連携と定着支援に力を入れている“地域密着型”の就労移行支援事業所です。全国展開はしていますが、各拠点ごとに地元企業・ハローワーク・支援機関とのネットワークを築き、その地域に合った就職先開拓と職場定着支援を行っています。
チャレンジドジャパンの特徴
- 地域企業との連携が強い:地元企業への職場実習や求人紹介が多く、通勤負担の少ない就職を目指せる
- 定着支援重視:就職後も職場訪問や企業側との調整を行い、長く働き続けるためのフォロー体制がある
- 基礎からのビジネス訓練:報連相、勤怠管理、ビジネスマナーなど、職場で求められる基本スキルを重視
- 障害特性に配慮した支援:精神障害・発達障害・知的障害など、幅広い特性に対応
向いている人
- 地元で安定して長く働きたい方
- 大企業よりも、地域企業や中小企業での就職を視野に入れている方
- 就職後のフォローまで、伴走型支援を重視したい方
おすすめポイント
「就職すること」よりも「働き続けること」を大切にしたい方に向いている事業所です。地域とのつながりを活かした支援は、初めての就職やブランクがある方にも安心材料になります。
チャレンジドジャパン:地域密着型の支援内容を詳しく見る

タイプ別 早見表
| タイプ | 代表事業所 | 主な特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 就職特化型 | リタリコワークス | 就職実績・企業連携 | 早く就職したい |
| 生活支援型 | ココルポート | 体調・生活重視 | 安定を優先したい |
| 実践重視型 | ミラトレ | 擬似就労・GW | 職場不安がある |
| IT特化型 | manaby | 専門スキル | IT志向 |
| 地域密着型 | チャレンジドジャパン | 地元連携 | 地元就職 |
よくある質問(Q&A)
Q. 有名な事業所の方が必ず良いですか?
A. 一概には言えません。大手は仕組みと実績が強みですが、地域密着型は柔軟さと個別性の高い支援が強みです。自分の課題と支援スタイルが合っているかが最重要です。
Q. 見学で必ず確認すべきポイントは?
A. 以下の3点は最低限チェックしましょう。
- 直近1年の就職先(業種・職種・雇用形態)
- 定着支援の内容と期間
- 担当支援員の変更頻度と引き継ぎ体制
まとめ|就労移行支援は「相性」で決まる
事業所選びでよくある失敗は、
「有名だから」「近いから」だけで決めてしまうこと
です。
本当に大切なのは、
- 今の体調と通所できる頻度
- 就職までに必要なステップ
- 希望する業界・職種との接点
に、その事業所の支援スタイルが合っているかを見極めることです。
この記事が、あなたにとって「合わない事業所を避けるための判断軸」となり、納得できる選択につながれば幸いです

